
プリンス×プリンセス
第2章 姉上の婚約者
俺が案内した場所は、裏庭の奥にあるローズガーデン。
早咲きや遅咲きの品種をかけあわせて、ほぼ一年中どれかの花が咲いているように改良してある。
今は、寒さに強い品種が蕾を付けている。
ひとつふたつ、綻び始めた花を見て、思わず頬が緩んだ。
「薔薇が好きなのか?」
「はい。特にこの薔薇は、晩秋に花をつけるものを品種改良して今の時期に咲かせる事に成功したものですから。特に愛らしいですね」
そのまま花の様子を気にかけていると、
「ここの庭師は優秀なのだな」
ディオチェスター王子の口調が、本当に感心しているみたいで嬉しくなる。
「ありがとうございます!!」
満面の笑みでお礼を言うと、王子が驚いて目を丸くした。
「あ、ごめんなさい。嬉しくて、つい」
「庭師が褒められて、そんなに喜ぶのか」
「いえ…ここは自分で造ったので」
「お前が!?」
あ、しまった。今、俺は、姉上だった。
「私と、弟で。主に弟ですが」
どうしよう。誤魔化せたかな?
笑いを浮かべたまま、ディオチェスター王子を窺う。
早咲きや遅咲きの品種をかけあわせて、ほぼ一年中どれかの花が咲いているように改良してある。
今は、寒さに強い品種が蕾を付けている。
ひとつふたつ、綻び始めた花を見て、思わず頬が緩んだ。
「薔薇が好きなのか?」
「はい。特にこの薔薇は、晩秋に花をつけるものを品種改良して今の時期に咲かせる事に成功したものですから。特に愛らしいですね」
そのまま花の様子を気にかけていると、
「ここの庭師は優秀なのだな」
ディオチェスター王子の口調が、本当に感心しているみたいで嬉しくなる。
「ありがとうございます!!」
満面の笑みでお礼を言うと、王子が驚いて目を丸くした。
「あ、ごめんなさい。嬉しくて、つい」
「庭師が褒められて、そんなに喜ぶのか」
「いえ…ここは自分で造ったので」
「お前が!?」
あ、しまった。今、俺は、姉上だった。
「私と、弟で。主に弟ですが」
どうしよう。誤魔化せたかな?
笑いを浮かべたまま、ディオチェスター王子を窺う。
