テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

裏庭に続く道を歩いていた。

俺と、ディオチェスター王子と、王子の執事とで。

執事の名前はジューク。

漆黒の髪に、緑色の瞳の、均整のとれた体躯の持ち主。

「私の事は気にせず。空気だと思って下さい」

そう言われても。存在感ありすぎ。

体格からして、何かの武道をやっていそうな感じ。

護衛が付いてこない処を見ると、何かあったとしてもこの人だけで対処できるって事か…。

「どこに向かっているんだ?」

「私がこの城の中で一番気に入っている場所です」

そして、塀に囲まれた中の、木製のドアの前で止まった。

「こちらです。どうぞ」

ドアを開けて先に中に入ると、内側からドアを押さえて案内する。

足を踏み入れたディオチェスター王子が

「…ほぉ…。なるほど」

感嘆の声をあげた。

よし。とりあえず、成功かな。

でもまだ気は抜けない。

安堵で緩みそうになった頬を引き締めて、ディオチェスター王子の様子を見た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ