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プリンス×プリンセス

第80章 決別

「あー、大丈夫大丈夫」

僕を安心させるためか、くすくす笑って手を振った。

「あれはもう平気になったから」

え?

あんなに深刻そうだったのに?

「除霊でもしたのですか?」

「あー…そんなようなもん」

あの時、ジューク様にも相談した。

心配する事はないって話だったけど、ジューク様が動いたんだろうか?

「だから心配しなくても大丈夫」

小さく何度も頷いて、にかっと笑ってくれた。

だったら不調の理由は何だろう?

「じゃあ…マッサージでもしましょうか?」

「え?」

「血流も良くなりますし、少しはスッキリするかもしれません」

するとテリオス様は俺をじっと見て…

「なら…頼む」

そう言って笑う。

笑っている、けど。

つらそうな顔をしているように見えたのは…気のせいだろうか…?

「あ、じゃあ、そこの椅子に腰掛けて下さい」

敢えて気付かない振りをして、明るく話しかけた。

テリオス様の肩に手を置いて、軽く揺するように力を加えていく。

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