テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第80章 決別

特に凝った感じもない。

腕を動かしても、背中を圧しても、ここが悪いって主張している場所がなくて…

ただの寝不足かな?

首から耳、頭部全体をマッサージする。

「はぁー…気持ちいい…」

「ほぐれます?」

「うん。上手だな」

お褒めの言葉に頬が緩みそうになる。

特技と言えるほどのものではないけど、それでもテリオス様の癒しになるなら嬉しい。

そのまま側頭部をマッサージしていると、テリオス様がポツリと話す。

「もう休暇も終わりだな」

「そうですね。明後日にはフェールロコノへ戻りますから」

「荷物、まとめないとな」

「まとめると言うほど、荷物もありませんよ?」

くすくす笑って答える。

だけど、テリオス様の返答を聞いて、動きが止まってしまった

「俺…一緒に帰らないから」

「……え?」

突然聞かされた別れに戸惑い…

「あ!もしかして、エクトラーザへまた帰るのですか?」

前にも車で送っていった事がある。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ