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プリンス×プリンセス

第81章 風が吹いた

寝ぼけ眼を向けて、私の名を呟くと

「あ…もう、朝…?」

「はい。……眠れなかったのですか?」

悩み事が多いのは共感と理解が出来る。

それで眠れないほどならば…

私の心配を察してなのか、笑いながら首を振り

「マックスの夜泣きで起きて。あやしてるうちに時間が…」

「ああ…それで」

あくびを噛み殺している姿に安心した。

それくらいならとりあえずは大丈夫だろう。

「それでは、マキシミリオン様のご様子を窺ってきますね」

マキシミリオン様の寝室へ向かおうとすると、クスッと笑みが聞こえた。

「一緒に行っても?」

「ええ、もちろん」

私と一緒に様子をみて、柔らかな表情を浮かべている。

それでも、やはり少し顔色が冴えない気がして…

「…もし寝不足でお辛いのでしたら、夜は乳母に預けるといった方法もありますよ?」

私の提案に、迷いなく首を横に振ると

「マックスの面倒を他の人に頼む方が気になって寝れないかも」

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