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プリンス×プリンセス

第81章 風が吹いた

着替えとお化粧を済ませ、あとは髪だけ。

「今日はどれにしますか?」

「出掛けるのでなければ、いつもので」

「かしこまりました」

このところずっとひとつ縛りが多い。

確かに楽は楽よね。

髪を整えて、結わいた所をリボンでほどけないよう結びつける。

「毛先が…少し傷み始めましたね」

「もう?切らないと駄目?」

「気休めかもしれませんが、今晩、オイルでお手入れしてみましょうか」

私の提案にこくりと頷くと、労るように毛先を撫でている。

柔らかなティアナ様の髪。

大切に思っていらっしゃるのでしょうね。

「では準備が整いました。カムリを呼びますのでお待ちください」

そう声をかけて、内線でカムリを呼び出した。

カムリはあの旅行以来、ティアナ様の執事になった。

マキシミリオン様も1歳になり、ティアナ様も本格的に公務が再開される。

ルークスさんが全てを兼務されるのは難しくなった結果、カムリに白羽の矢が立ったらしい。

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