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プリンス×プリンセス

第81章 風が吹いた

それを聞いて、唖然とする。

…この人、何を言ってるの?

「どうして知ってると思うの?」

そんなに断言するような言い方で聞いてくる理由を知りたい。

けれどカムリは口を濁すばかりだ。

「私よりカムリの方が親密でしょ?」

イラついた気持ちのまま、言葉をぶつける。

「文通して下さいって頼んだそうじゃない」

その途端、カムリの頬が赤く染まった。

「何で…っ!」

「まだ手紙がもらえないから焦ってるの?」

「テリオス様から聞いたのか!?」

そうだと答えたら、カムリはどう思うんだろう?

手紙についても、テリオス様がどう考えているのか…この能天気な男に全部暴露してやりたい。

「シルフィには連絡はないのか?」

「無いわ。ある訳がないでしょ?」

苛立ったまま無愛想に答えれば、カムリは悲しそうに眉を寄せた。

「…不安じゃないか?」

「どうして?」

どうして私が不安にならなきゃいけないの?

それも、それをカムリに同情されるいわれもない。

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