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プリンス×プリンセス

第81章 風が吹いた

苛立ちが表情に出てしまったようだ。

カムリが私を見て、一瞬息を呑んだ。

そして…

「トグル王国で…旅行の最終日、廊下で…テリオス様と別れを惜しんでただろ?」

ボソボソと語る内容に、首をかしげた。

テリオス様と?

最終日にお会いしたのは、ティアナ様も交えてだけど、別れを惜しむ…?

記憶を思い起こして、1つ思い当たることを見つけた。

「……あぁ、成る程」

あの時の事を言っているのね。

私がつい泣いてしまって…

「見てたの?覗き?」

恥ずかしさを隠すために、わざと顔をしかめてイヤそうに言う。

すると、カムリは慌てて両手を顔の前で振った。

「そんなんじゃない!ただ出ていきにくかっただけで」

「ふぅん」

見られていたんだ。

まさか廊下にカムリがいたなんて気付かなかった。

こんな失態、2度と無いように気を配らないと!

そんな決意を固めていたのに、カムリは何かを勘違いしたようだ。

「テリオス様を追いかけて行きたいんじゃないのか?」

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