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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

「オルティアの教育が行き届いてないみたいですね」

オルティアはフェールロコノのメイド頭の名前。

彼女の指導が悪いから、シルフィが賛同したって言うの?

「悪く言わないで」

私はもうフェールロコノの人ではないから。

シルフィは『同行出来ない』と泣いてくれたのよ?

私の行く末を心配してくれる人がいる。

だからせめて自分の事が当たり前に出来るようになりたい。

そうすれば、もっと自分に自信がもてる。

もっと強い人になりたいの。

「話は終わり?もういいかしら?」

立ち上がろうとすると、ジュークに止められる。

「どこへ行かれるのですか?」

無関係だって言ったのに。

どうして行方を気にするのよ!?

「これから宿を探しに行くの」

少しだけトゲのある言い方になってしまった。

でも…本当に大丈夫だから。

無理矢理に笑顔を作ってみせると

「宿……グレイス嬢の所ではなく?」

意外そうに聞き返されて…

その内容に、私も目をぱちくりさせた。

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