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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

「何故?彼女の手を煩わせるつもりはないわ」

彼女はジュークとルーミーを保護してくれた。

それだけで充分。

私まで保護してもらう必要はない。

なのにどうしてそんな事を訊くのかしら。

首を傾げてジュークを見た。

するとジュークは、さっきよりも眉間のシワを深く寄せていて…

何でそんな表情を浮かべているの!?

「ジューク…」

「分かりました」

硬い声で告げられ、胸がきゅっと締め付けられる。

今度こそお別れだわ。

ふうっと息を吐き、別れの言葉を口にしようとしたら

「行きましょう」

ジュークが伝票を手に立ち上がり、私に手を差し出した。

「……え?」

どういう事?

行きましょうって、どこに?

ポカンとジュークを見返せば、淡々とした口調で言われた。

「宿まで送ります」

その言い方が、まるで執事の時のようで…

あの時とは、立場も状況も違うのに

「…あ…はい…」

引き寄せられるように、ジュークの手を取ってしまった――

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