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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

「ならば仕方ないわ」

宿泊を諦めれば、ジュークが少しだけ微笑んでいた。

諦めたからほっとしてるの?

満室なのを粘っても仕方がないじゃない。

その代わり

「夜遅くまで営業しているお店はどこかしら」

「…は?」

「閉店までそこで過ごすとして…あとは公園へ行こうかしら」

公園なら迷惑にならないし、ベンチのような腰掛けるものもある。

今日一晩くらい、どうにかなるんじゃないかしら。

するとジュークが苛立って呻いた。

「あなたという人は…っ!」

「何を怒っているの…?」

部屋を取れなかったのはあなたの落ち度ではない。

自分で準備しなかったのだから、自分で後始末をするだけなのに。

「ジューク、あの…大丈夫だから」

「どこが!?」

「え!?」

「それのどこを取れば『大丈夫』なんですか!?」

こんなに真っ直ぐに怒気をはらんで叱られたのは初めてかもしれない。

あまりの出来事に呆然としてしまうと

「来なさい」

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