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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

中にはそんな気恥ずかしい言葉を!?って思うものもあったけど

「ディオチェスター様から受け継いだそのルックスなら、全て受け入れられます!」

と、謎の後押しで押し付けられてしまった。

なのに母上の反応が想像していたものと違って、急に不安になる。

「僕、何か間違えてますか?」

間違えているなら正して欲しい。

そう思って母上を見つめると、背後から足音が近付いてきた。

振り向く前に、僕の頭をくしゃりと撫でられる。

「相手を間違えるな」

「父上!」

見上げれば、今日の空と同じ色の目が僕を見ている。

「それは意中の令嬢だけにしておけ」

「ディオ!?」

「俺のようにな。…すまない、待たせたな」

僕の頭から手を離すと、母上の髪にキスをして、笑みを浮かべる。

僕の時には、母上は咎めるような目をしていたのに

「母上、頬が赤くなってますよ?」

「…っ!」

反射的に手で顔を覆い、僕や父上の目から隠そうとする。

そんな母上は、何だか可愛らしく見えた。

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