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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

そんなの悲しすぎる。

涙目でシルフィを見上げれば

「違います!今は無理って言っただけで!」

シルフィは慌てて両手を振って否定した。

「あ…そういう事」

ルークスがあきれたように言うから、シルフィは顔を赤らめた。

…って事は…

「じゃあ、カムリを嫌いじゃないんだね?」

確認すると、シルフィの顔がますます赤くなる。

「は、はい」

「良かった。シルフィがカムリを好きでいてくれて、ホントに良かった!」

僕のために我慢してる訳じゃなくて良かった!

ニコニコ笑顔で告げれば、シルフィが困ったような顔をしていた。

そしてその横でルークスが呟く。

「王子こっわ…」

え?

「こわい?僕が?」

どうして?

ルークスの言ってる意味が分からない。

何か言ってはいけない事を言ったんだろうか?

「いや、王子は悪くないですよ?んー…」

しばらく空を睨むようにした後で、ルークスは笑顔で言った。

「とりあえず俺は、好きな奴の事は言いませんから」

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