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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

ウンウンと小刻みに何度も頷くルークスに、シルフィが抗議の声を上げた。

「ルークスさん、それってズルくないですか!?」

まぁ、そう思うよね。

だってルークスが言わなければ、カムリとの事なんて知らなかったんだから。

自分を咎めるシルフィへ

「いいんだよ、俺は」

ルークスは飄々として言うけど…

何でだろう?

その目の奥が、何だか悲しそうで…

「じゃあルークスが結婚した時にたくさん聞くね!」

わざとおどけて言うと、ルークスは苦笑いを浮かべた。

良かった。

とりあえず、悲しそうではなくなった。

さて、と。

そろそろ戻った方がいいんじゃないかな?

見納めのように湖に目を戻して…

「あれ?あの子…」

視線の先に、女の子の姿があった。

黄緑と黄色のチェック柄のワンピースを着て、黒髪を緩く三つ編みにしている。

木陰に座り込んで、背中を丸めて何かを作っている…のかな?

「もしかして…」

「…そうだと思います」

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