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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

肩を揺らして笑いを抑えているルークスに、シルフィがワナワナと体を震わせて宣言する。

「とりあえず、カムリをぶん殴りたいです!」

2人のそんな声が聞こえてきた途端

「て…天使って…あなたの方がよっぽどそうじゃない!」

女の子にけたけたと爆笑された。

「え?そうかな?」

屈託無く笑うその顔は無垢で愛らしいと思うんだけど。

彼女はひとしきり笑い、僕を見て小首を傾げた。

「ねぇ、もしかして、グレイス様の結婚式に出る人?」

何で分かったんだ?

キョトンと見返すと、彼女はニッと両頬を引き上げて笑う。

「だって、すごく素敵な服を着てるから」

素敵…?

招待されたからジャケットは着てるけど、シャツもパンツも普段とあまり差はないのに。

…ネクタイのせい?

普段着でネクタイなんてあまり締めないからかな?

「あ、うん。披露宴にね」

ネクタイの端を指でピラピラと弄ると

「本当に?」

何故か彼女が食い付いた。

「だったら、お願いがあるの」

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