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プリンス×プリンセス

第84章 そして…

それから1時間後

披露宴が始まり、僕は大人しく席に着いていた。

「マックス。グレイス王女達を見てごらんなさい」

母上に声をかけられて、一段上の席を見る。

コバルトブルーのドレスに、白銀のような髪がとても綺麗な王女。

その頭上には、たくさんの宝石をちりばめたティアラが輝いている。

「頭に付けるのは無理だったみたいだけど、ほら」

「あ…」

王女の左手首に、生花で作った花冠が巻かれていた。

「良かったね」

「それは僕じゃなくてあの子に言わないと」

僕はただ預かってきただけだ。

あの時、僕が披露宴に出席すると聞いて、あの子は目をキラキラさせて言ったんだ。

「お祝いの花冠、渡して欲しいの!」

さっきから作っていたらしいそれを掲げられて、受け取るべきか悩んでしまった。

だけどシルフィが

「必ずお渡し致します」

なんて言うから…

エメラルドみたいに綺麗な瞳をさらに輝かせて喜ぶあの子に、僕も頷くしかなかった。

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