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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

そりゃあさ、他人の事情に首を突っ込むもんじゃないのは分かる。

だけど、姉上にとっては伴侶の血縁者の話だ。

しっかり把握しておくのは筋ってもんだろ!?

そんな思いでディオを見れば、首の後ろに手を当ててため息をついた。

「死んだ。…いや、自殺した」

姉上が驚いて口元を手で覆った。

「自殺…」

「親が死に、行きどころがなくなったのを、俺の小間使いとしてここに住まわせた」

それで…か。

ただの執事にしては、周りの従者から別の扱いを受けてたりするのが不思議だったんだ。

この城で働いてる人間は皆事情を知ってるし、その上で接するとそうなってしまうのかもな。

「奴は優秀だからな。執事として一番の働きをしてくれる。信頼もしている」

あぁ…。前にも言ってたな。

『あいつはこの城の中で、俺が一番信頼している奴だ』

それだけ長い間一緒にいて、自分のサポートをしてくれた人なら、そう思って当然だろう。

小さく頷いたら、ディオは何故か小さく笑って…

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