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プリンス×プリンセス

第13章 誓いの…

目線の先には、祭壇の前に立つ牧師。

そして、正装姿のディオが待っている。

白地に所々金色の刺繍の入った生地で出来た上着。

腰を覆うほどの長さの上着は、ハイウエストな位置で黒い太目のベルトで留められている。

軍服仕立てなのに、格好いいデザインなんだよな…。

ディオは元々背も高くてスタイルがいいのに、この服のせいで余計に脚が長く見える。

くっそぉ…。神様は不公平だぞ!!

胸のなかで神様を怨みながら、神の身許に向かう。

冗談のような状況に笑いそうになって、慌てて顔を引き締めた。

ケープ越しにディオを見れば…

ライトブルーの瞳が細められて…笑ってる?

おい、こんな状況で笑えるなんて、かなり余裕だな。

それとも、相手が俺だから?

代役との結婚式なんて、茶番みたいで本気になれないのか?

ディオの隣に立つと、牧師の合図で聖歌隊が歌い出す。

教会に響き渡る歌声は清らかで、耳障りのいいものだった。

こんな時に聞いてるんじゃなかったらな…。

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