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プリンス×プリンセス

第13章 誓いの…

歌が終わると、牧師が祭壇に向かって唱え出した。

奇妙な節をつけて朗々と唱えるその姿が、下手なミュージカルを見ているようで、何だか笑えてくる。

うつむいて笑いを堪えていると、長かった牧師の独壇場がやっとで終わった。

俺とディオは聖水で両手を清め、それぞれの右手を牧師が手に取った。

「それでは、宣誓を」

「神の名の元に。この者を愛し、生涯添い遂げる事を誓おう」

「私も同じく…誓います」

すると牧師がにっこり微笑み、俺とディオの右手を重ね合わせた。

「この二人は神に夫婦として認められました。お互いに今日のこの幸せな気持ちを覚えていて下さい」

その言葉に、ディオが薄く笑った。

ま、そうだよな。

こんな結婚式、忘れられないだろう。

俺も一生覚えていそうだよ。

苦笑いを浮かべたその時

「それでは、誓いのキスを」

牧師の進行に、笑いも引っ込んでしまった。

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