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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

「なっ…何!?」

抱き上げられて、ジュークとの距離が近くなる。

思っていたよりも厚い胸板と、ジューク自体の香りに、どくんと鼓動が高鳴った。

そんな私に気付くことはなく、ジュークはにこりと微笑むと

「足を痛めましたか?」

何もかも知っているような言い方に、驚いて目を見張った。

「何で…」

「庇っていらっしゃったので」

何でもない事のように言うと、私を抱き上げたまま歩いていく。

そんなジュークに、内心舌を巻いていた。

あんな短い間で。

しかも、ジュークの前では歩いていないのに…どうして気付くの?

目の前にあるジュークの横顔を眺める。

私を抱き上げている重さなど、微塵も感じさせない程涼やかな表情。

黒髪にエメラルドグリーンの瞳。

髪と同じ色の眉毛は凛々しくて…

「あまり似てないのに…」

言いかけて、はっと口をつぐむ。

ディオが話してくれた事を、ジュークは知らないかもしれない。

俯いてジュークから視線を反らすと、ジュークの足が止まった。

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