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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

「本質、って言うんでしょうか」

「本質…」

ジュークは私の言葉を反芻した。

その様子から、何かが彼の中で引っ掛かったのに間違いないと直感した。

「仕草とか物の考え方とか。魂が似ていると」

魂、という単語に、何故かジュークは苦笑いを浮かべた。

「それは…私があの方の教育係だったから…でしょうね」

自分の嗜好も教えたとでも言いたいの?

それとも、幼い頃から一緒にいたから似てしまった…?

「それだけでしょうか?」

例え幼少期に同じ時間を過ごしたとしても、ここまでは似ないわ。

だったら、理由はきっと…

「貴女は…私に認めさせたいのですか?」

眉を寄せて、毒を吐くように忌々しく呟くジューク。

「認めたくないんですか?」

諭すように静かに聞くと、ジュークは真っ直ぐに私を見つめてきて…

エメラルドグリーンの瞳が、微かに揺れた。

ジュークの口元が震えた。

すると次の瞬間には、ギリッと音を立てて奥歯を噛み締めていた。

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