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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

え…?

ここまで感情を表に出しているのを見たことがなかった。

そんなに…思い悩んでいたの…?

ジュークは息を吐くと、笑顔を浮かべた。

「もう止めましょう。こんな問答は無意味です」

「そうですね…」

これ以上踏み込むのは止めておこう。

こんな…張り付けたような笑顔しか浮かべられないのなら。

それほどに余裕を無くしてしまうなら。

「ごめんなさい。嫌な思いをさせてしまったわ」

「大丈夫です」

そう答えてくれるけど…その顔は作られた笑顔のまま。

やっぱり…失敗だったかしら…

小さく息を付くと

「足は」

おもむろにジュークが聞いてきて、伏せていた視線をジュークへ戻すと

「足の具合は…先生には?」

ジュークが私の足を窺いながら聞いてきた。

「あ…いえ。まだ」

まだテリオスが私の振りをしてくれている時間だから。

結婚式が終わるまでは、処置もしてもらえない。

「式が終わったら、先生に診てもらうようにします」

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