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プリンス×プリンセス

第14章 この気持ちは…

するとジュークは洗面所へ向かい、手を洗っているのか水音をたてた。

「大した処置は出来ませんが…」

再び屈み込んで、私の足に触れる。

冷たい…。

見れば、足首に布状の物が巻かれていて…

「冷やした方が痛みは和らぐかと」

「…ありがとう」

わざわざ、自分のハンカチを濡らして巻いてくれた事に感謝して…

それとは別の感情が沸き上がっているのに気付いた。

この気持ちは…

自分でもその感情に戸惑っていると、ジュークが静かに聞いてきた。

「所で…どうしてこのような怪我を?」

「え?」

ギクリと胸が痛くなる。

「筋肉の具合からすると、挫いたのは今朝がたですね?」

そんな事まで分かってしまうの!?

話すにはあまりにも恥ずかしい理由。

だけど、話すのを待たれてしまうと…

その重圧に堪えられなくて、ポツリポツリと話した。

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