テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第15章 一曲、いかがですか?

「お前にとっては国王様とディオが唯一の肉親なんだろう?」

ジュークは俺から目を反らした。

「ジュークだって、血縁者として祝いたいと思ってるんじゃないのか!?」

逃げるなよ!!

ジュークの胸ぐらを掴んで引き寄せると

「正面向かっておめでとうって言ってやれよ」

ジュークは眉を寄せた。

だけどそれは一瞬で…

息を吐きながら薄笑いを浮かべると、胸ぐらを掴んだ俺の手を外し

「そんな…祝いたいなら、どこででも祝えるでしょう」

そして視線を後ろに向けると、冷たく言い放った。

「こんな場に出ることはありません」

視線の先は、パーティ会場で。

これからダンスでも行われるのだろうか?

管弦楽団が演奏の準備をしている様子が見えた。

「お前らって…」

余りにも頑ななジュークの態度が、ディオにそっくりで…。

いや、ディオがジュークに似てるのか?

「やってることは似てるのに」

「……そうですか?」

「なのに…つまんねえ関係だな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ