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プリンス×プリンセス

第15章 一曲、いかがですか?

本当なら、異母にしたって兄弟なんだから。

もっと信頼しあったり、協力しあえる関係になれるはずなのに…。

すると、ジュークが目を細めた。

「そうですね。環境がそうさせるのでしょう」

諦めたような、悟ったような口ぶり。

環境かよ!

ジュークの卑屈さにイライラする。

「だったら!そんなつまんない環境、ぶっ壊しちまえよ」

口を曲げて不快感を露にすると、ジュークは目を丸くして…プッと吹き出した。

は?

笑うところじゃないだろ!?

「ジューク!?」

「すみません…」

謝りながらも、笑いを止めることが出来ないのか、肩をピクピクと震わせたままで…

「そんなおかしな話か?」

「いえ…。貴方は時に過激な事を言いますね」

首を小さく振ってから大きく息をつくと、ぼそりと呟いた。

「だが…悪くない」

「ん?」

ジュークの呟きが聞き取れなくて問いただすも、ジュークはうっすらと笑みを浮かべただけだ。

話す気はない、って事か?

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