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プリンス×プリンセス

第15章 一曲、いかがですか?

その時、ワルツが流れてきた。

あ…。ダンスが始まったのか?

会場を見れば、人々がダンスを楽しんでいる姿が透けて見える。

すると、視界の端で何かが動いた。

目だけを動かしてそれを追うと、

「一曲、いかがですか?」

ジュークが手のひらを上に向けて右手を差し出していた。

「お前と!?」

驚きの余り、素っ頓狂な声を上げてしまった。

「ティアナ様との練習以来ですね」

俺の驚きなど意に介さないように、堂々とした態度で俺を見ると

「ダンスの腕前が落ちていないか、確認しますよ?」

そして、ニヤリと笑う。

くそっ!!馬鹿にしやがって!!

「そんな必要ない!!」

「そうですか?」

出した手はそのままに、ジュークは探るような目付きで俺を見る。

「ティアナ様の振りをされるなら、必要になる時が来るかも知れませんよ」

なん…だと!?

こいつ…気付いていたのか!?

ジュークを見つめたまま、どう返したら正解なのかを必死に考えた。

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