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プリンス×プリンセス

第15章 一曲、いかがですか?

「テレビで見ておりましたが…三度目ともなれば、手慣れたものですね」

「な…っ」

三度目!?

ジュークの言葉に、二の句が告げられなかった。

目を見開いた俺に、ジュークはニヤリと笑うと

「では、行きますよ」

俺の手を無理矢理取ると、背中に手を回した。

逃がさないと言うかのような行動に、俺はため息をついて…ジュークの腕に手を添える。

カウントを取られ、ジュークのリードでステップを踏む。

「とてもお上手ですよ?」

「…そりゃあ、どうも」

嫌味で返すと、ジュークはくくっと笑う。

ジュークのリードが巧みなお陰で、久し振りの女役でのステップも間違えず進めた。

「…お前も、最初から気付いてたクチかよ」

「そうですね」

見上げれば、余裕たっぷりな笑みを返された。

「ティアナ様と共に、あなたにもここに来ていただくよう要請したのは私です」

初めて聞く内容に、眉をしかめた。

「何で?」

「影武者のいる姫君なんて…使えると思いませんか?」

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