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プリンス×プリンセス

第17章 妻の役割

身支度が済んで、ナイトガウンを羽織ってディオの部屋へ向かった。

何だかおかしい。

そんなに離れた場所にある訳ではないのに、やけに遠く感じてしまう。

誰も通らない事を確認して、足早に歩を進めていき、ディオの部屋の前に着いた。

小さく息を吐いて、扉をノックする。

「ティアナです…」

自分の名前を名乗るだけなのに、語尾が震えてしまう。

しんと静まり返った廊下に一人で立ちすくみ、居心地の悪さを感じていると、中からディオの声がした。

「開いている」

え?それだけ?

出迎えてくれることを期待した訳ではない。

でも、あまりにも愛想の無い対応に面食らい…何故だか笑いが込み上げてきた。

ディオはいつも通りだわ。

変に気構えている自分が馬鹿みたいで、肩の力が抜けていく。

ドアノブに手をかけ、ゆっくりと扉を開いた。

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