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プリンス×プリンセス

第17章 妻の役割

扉の向こうでは、ディオが一人で机に向かっていた。

「ディオ…?」

邪魔をしないように声をかけると

「ああ、急ぎで見てしまいたい書類があるんだ」

私の方を見向きもしないでそう言う。

「はい…」

今日が『その日』だって事はディオも知っているはず。

なのにこの応対って…?

自分の中に湧き上がった思いを、頭を振って追い払う。

「…待っていてもいいですか?」

お伺いをたてると

「ああ。好きなところに座ってくれ」

素っ気ない返事をされた。

書類から目を離さないディオに、はい、と返事をすると、ざっと部屋を見回す。

ディオの姿が見れる位置にソファーがあったので、そこに座った。

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