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プリンス×プリンセス

第17章 妻の役割

「遠慮など無用だぞ」

「はい。でも、大丈夫ですから」

笑顔を浮かべると、ディオは再びコーヒーを口にした。

ディオなりに気を遣っているのかしら?

そうだとしたら、素直に嬉しい。

初めてディオに会ったのは、この国に来た日。

国王様たちにご挨拶した、あの会見の間で会ったのが初めて。

あの時のディオは、冷やかな瞳で…歓迎している雰囲気は感じられなかった。

だから、こんな風に私を気遣ってくれるのが…それくらい親しくなれたのかと思えて、とても嬉しい。

「遠慮は無用…ですか?」

確認するように質問すると、ディオがカップをソーサーに置いた。

「そうだが…どうした?」

「ずっと、ディオに聞きたかった事があるのですが…いいですか?」

私の問いに、一瞬眉を寄せたものの

「何だ?」

ちゃんと答えようとしてくれる。

本当に…第一印象って、あてにならないものかも。

「ディオは…後悔しませんか?」

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