テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第17章 妻の役割

「後悔?何をだ?」

「私との結婚を…です」

私と結婚しようと決めたのは『無難だから』。

テリオスから聞いたときは、なるほどと思った。

だけど、実際に結婚した今…

結婚相手に求めるものって、本当にそれだけでいいのかしら…?

「お前は後悔しているのか?」

ディオに聞かれて、首を横に振る。

「いいえ」

後悔はしていない。

だけど…

「でも…私たち、お互いの事を知らなさすぎです」

事あるごとに、さっきみたいに『知らない』認識が増えていくのが心苦しい。

無意識に胸元を押さえると

「そうか」

ディオは一言で返事をすると、カップを持ち上げ、残りを飲み干した。

「世の中の夫婦がお互いの全てを知っている訳ではないだろう」

「それは…」

そうかもしれないけど…。

「実際、身近にもいるしな」

身近…?

もしかして…国王様と王妃様の話…?

ディオはクッと喉の奥で笑った。

「結婚をしてからお互いの事を知る間柄、と言うのはどうだ?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ