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プリンス×プリンセス

第17章 妻の役割

「気を失った割には素早く動けるものだな」

笑いを含んだ声で告げられて、かぁっと顔が赤くなっていくのが分かった。

「もう…からかわないで下さい」

ディオから見えないように顔を隠して、声を絞り上げると

「…似てるな」

「え?」

感心したような声音に、思わずディオを見つめると、ディオは首を振った。

「いや、巧いものだと思ってな」

「?」

ディオの言う意味が分からない。

だけど、私に向けられた言葉ではないような気もして…

とにかく服を着て、簡単に身支度をした。

「では、戻ります」

「分かった」

夫婦の朝の会話ってこんなものなのかしら?

ドアノブに手を伸ばしながら、自分達の淡泊さに笑みをこぼすと、ドアがノックされ

「ディオチェスター様、失礼します」

その声と共に、ドアが開いた。

「あ」

開いた先にいたジュークと目があった。

驚いた表情の彼が、眉を下げて目を細めると一礼し

「失礼しました。お邪魔でしたか?」


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