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プリンス×プリンセス

第18章 聞きたいことがあるんだ

ディオは読んでいた本を伏せると、立ち上がって俺と対峙した。

「それで?何の用だ?」

ド直球で投げてくるなよ!!

用がなきゃ来ないのは当たり前だろうが!!

「えーっと…これ」

後ろ手に隠していた物を、ディオの前に掲げる。

それは、一輪挿しの花瓶に活けられた、淡い桃色の薔薇だ。

「やっと咲いたんだ」

ディオは薔薇と俺を交互に見ている。

「お前にやる」

「俺にか?」

余程意外だったのか、ディオは俺を見たまま動こうとしない。

一輪挿しを差し出してるんだから、手を出して受け取れよ!!

短くため息をつくと、ディオの机の上に置いた。

「ここに置くと邪魔か?」

「いや、そんな事はないが…」

ディオは薔薇を見て、苦い表情を浮かべた。

「お前は切り花が嫌いなのではないのか?」

「は?」

何でそんな思い違いをしているのか分からず、眉を寄せてディオを見る。

「ティアナの部屋に花を飾ったら、すごい剣幕で乗り込んで来ただろう?」

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