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プリンス×プリンセス

第18章 聞きたいことがあるんだ

ニヤリと笑われて、顔がカッと赤くなった。

「あ…あれは!!」

この国に来てすぐの事だ。

姉上の部屋に毎日薔薇の花を飾るようにと、ディオが手配をした事に、俺が噛みついたんだ。

「別に…花を活けるのが嫌いな訳じゃない」

俺の言葉に、ディオは片方の口の端を上げた。

「大切に育てた花を、粗末に扱われるのが嫌なだけだ」

姉上の淋しそうな顔が頭をよぎる。

俺と同じ考えだったから…

だからディオに噛みついたんだ。

だけど、ディオは眉を上げると呆れ顔をした。

「お前が育てたものではないだろう」

理解してもらおうとは思ってないさ。

「それでも、他の誰かが思いを込めて作ったのに違いはないだろ?」

どこかで誰かが大切に育てたものをぞんざいに扱うなんて、俺には出来ない。

俺の思いがどこまで通じたんだろう?

「成る程な」

ぼそりと呟くと、

「そんなに大切に育てたものを、俺にくれるのか」

「はぁ?」

眉をひそめると、ディオは鼻先でクッと笑った。

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