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プリンス×プリンセス

第18章 聞きたいことがあるんだ

奥歯をグッと噛み締めると、一度目を閉じる。

頭に浮かぶのは、今朝の姉上の顔。

目を開くと、決意を込めてディオを見据えた。

「聞きたいことがあるんだ。…いいか?」

「構わないが…」

俺の表情にただならぬものを感じとったのかもしれない。

ディオは片方の眉を上げると、サービスワゴンの銀色のポットを手にした。

「何か飲むか?」

そう聞きながら、カップにコーヒーを注いだ。

途端にふわりとコーヒーのアロマが立ち上った。

「じゃ、コーヒーを」

すると、もう1つカップを用意して、俺の分を入れてくれた。

「ありがとう」

てっきり『自分で好きなものを飲め』とか言うかと思ったのにな。

手渡されたカップの中を覗くと、鏡のように自分の顔が映り込んでいた。

「それで?」

ディオの問いに、ハッと我に返った。

「姉上の事なんだけど…」

カップの中に映っている顔が悲しげに揺れる。

下唇を舐めて言葉を探して…

思い付いた言葉をそのまま口にした。

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