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プリンス×プリンセス

第20章 忘れられない感触

「あ…じゃあ、ちょっとだけ…」

無下に断るのもどうかとためらわれて、申し出を受け入れると

「はい!!」

カムリは嬉しそうに微笑んだ。

「あ…じゃあ、この椅子に座って下さい。あ、背もたれを前にして、跨ぐような感じで」

言われた通りに座ると、カムリに背を向ける状態になって…

「え…と、これでいいのか?」

「はい。じゃあ、始めますね」

ウキウキした口調で、カムリの手が肩に置かれた。

撫でるくらいの強さで、肩から腕へ触れていく。

「あ…本当に凝ってますね」

「触っただけで分かるのか?」

「筋肉の張り具合が左右で違うので」

へぇ…。

そんな違いも分かるんだ。

そういえば前にジュークも、俺と姉上の肩甲骨の高さが同じだって言ってたな。

「執事ってそういう勉強もするのか?」

「え?あ…そうですね。主人のために覚える人もいるって聞きますよ?」

「必須ではないんだ」

「はい。僕のは完全に趣味です」

マッサージって、趣味に入るものなのか?

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