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プリンス×プリンセス

第20章 忘れられない感触

大きく息を吐くと、タオルをひっ掴んだ。

すると

バタン!!

大きな音を立てて扉が開くと、姉上が血相を変えて入ってきた。

「へ…」

「テリオス!!」

足早に駆け寄られて。

姉上の慌てように面食らっていると

「あなた、大丈夫なの!?」

肩を掴まれ、顔を覗き込まれた。

「な…何が!?」

姉上が何に対してこんなに興奮しているのか見当がつかなくて聞くと

「あなたが部屋に隠るなんて!!どうしたの?具合悪いの?」

…カムリか。

一瞬、昨日の事がバレたのかと思った。

安心して気を緩ませると

「何でもないよ。ちょっと寝違えて休んでるだけ」

「…本当に?」

探るような目の姉上に微笑んで

「大したことないから。安心して?」

目を細めると、姉上は俺を掴んだ手の力を緩めた。

「それならいいけれど…」

それでも俺を見る姉上の目は、辛そうに歪んでいる。

「明日には治ってるよ。今日だけ休ませて」

ウインクをしておどけてみせると、やっと姉上の目から力が抜けた。

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