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プリンス×プリンセス

第22章 そういう事、ですか

それで?

「あ…それで、ティアナ様がレモネードを差し入れしたいと作られて。そのお手伝いを」

話しながら、何とも言いがたい違和感を覚えた。

ディオチェスター様から話の続きを急かされるなんて、滅多にない。

やはり妻の事となれば、この人も変わるのか。

自分の考えに笑みを浮かべると

「レモネード…好きなのか」

ディオチェスター様がぼそりと呟かれた。

「エストラーザにいらっしゃった頃からよくお作りになっていたそうですよ?」

「そうか」

小さく頷いて、また書面に目を落とすディオチェスター様に

「ずいぶん気になさってますね」

笑みを浮かべたまま聞くと

「元気だけが取り柄みたいな奴だからな」

ん?

予想していたものと違う答えが返ってきて、思わず首を傾げてしまう。

ティアナ様は、どちらかと言えばお体が弱い印象なのだけれど…

「それが調子を崩したなら、気になるだろう?」

あ。

やっと分かった。

テリオス様の話をしているのか。

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