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プリンス×プリンセス

第22章 そういう事、ですか

「かしこまりました」

そこまで頑な理由が分からないけれど、置いておきたいのなら構わない。

ただ…

何かが引っ掛かる。

その『何か』を頭の中で探っていると、ディオチェスター様が立ち上がった。

「どうかなさいましたか?」

「喉が渇いた」

そう言いながら、飲み物が積まれたワゴンへ向かう。

「お淹れします」

「いや、いい」

俺を手で制し、自分でコーヒーを注いでいる。

お疲れのようだな。

ディオチェスター様の様子にそんな予想をして、今日のスケジュールを思い起こす。

どこかを後に回して、休憩が取れないだろうか?

「急ぎの分が済めば、少し休めますが…」

「その皺寄せで、明日忙しくなるのだろう?」

ディオチェスター様が鼻先で笑う。

「気遣いは不要だ」

「はい…」

ディオチェスター様が、コーヒーの香りを楽しむようにカップに鼻を近付けて

「夕べと違うな」

「お気に召しませんか?」

「いや…いい」

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