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プリンス×プリンセス

第24章 お前だったのか

「以前、薔薇を植えたときにも、同じような顔をされていましたから」

薔薇を植えたとき?

…ああ、臭うって言われた時か。

「そうだったかな…」

あの時、自分がどんな顔をしてたかなんて覚えてない。

ただ、アイツの言い方がムカついて仕方なかった事だけは確かだ。

「何か言われたのですか?」

カムリの声が優しくて。

少しだけ、話を聞いて欲しくなった。

「あいつに…すっげぇ意地悪されて」

具体的な事は言えない。

だから、ものすごく漠然としたものの言い方になってしまった。

あれは…『意地悪』なんだろうか?

「その理由を聞いたら『お前だからいいと思った』って言われた」

「え…」

カムリは、ポカンとして小首を傾げた。

「アイツ、俺を馬鹿にしすぎだろ!?」

眉をしかめて思いを口にすると、カムリは困ったように口をもごもごした。

「え…と…。本当に、ディオチェスター様がそんな事を?」

ポツリと呟かれた疑問も、疑われてるような気分にさせられる。


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