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プリンス×プリンセス

第25章 労りの気持ち

「おい、ジューク!」

思わずジュークに突っかかると

「そうだな」

まさか同意するとは思わなくて、驚いてディオの方を向いた。

「ティアナ、お前はそんな心配をするな」

「…え?」

「いつも通りでいい」

ディオの言葉に、姉上の表情が不安で翳る。

すると、ジュークがくすりと笑った。

「それでは言葉が足りませんよ」

ディオが眉をしかめて前髪をかき上げると、ジュークはにこりと微笑んで姉上を見た。

「無理をされて具合が悪くなったら、それこそ対処の仕様がありません」

姉上も不安な瞳でジュークを見返す。

「万が一具合が悪くなったなら、隠さずおっしゃって下さい」

自分の胸元に右手を当てて、真摯な眼差しを向けると

「私共が全力でサポート致します」

その言葉に、姉上の目が揺れる。

「ですから、くれぐれも無理をしないで下さい、と言う事です」

「は…はい」

瞬きを繰り返して返事をした姉上に、ジュークは一つ頷く。

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