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｢ジュークが言い負かされたのを初めて見た｣

ひとしきり笑った後、ディオはジュークを見て

｢形無しだな｣

そう言って、くくっと喉の奥で笑う。

それに反応したのは姉上だ。

｢え!?そんなつもりは…｣

慌ててディオとジュークを見比べる。

上機嫌なディオとは対照的に、ジュークは苦笑いを浮かべていて…

｢ジューク、ごめんなさい｣

頭を下げた姉上に、ジュークはかぶりを振ると

｢いえ、謝る必要はありませんよ｣

そして、目を細めて姉上を見ると

｢ティアナ様に負けるのなら本望です｣

そう言って、うっすらと笑った。

｢ジューク!?｣

目を見開く姉上をジュークはじっと見つめて…

不意に顔を背けると、肩を震わせ始めた。

｢え？｣

キョトンとする姉上に、ジュークは肩を震わせたままで…

｢からかうのも程々にな｣

ディオがぼそりと呟く。

｢え？｣

｢ティアナ様、すみません｣

今度はジュークが姉上に頭を下げる。