テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

「俺も踊ればよかったか?」

は!?

予想外の言葉に、唖然としてディオを見た。

いや、アンタは誘ってないから。

でもその言葉が予想外だったのは、俺だけじゃなかったらしい。

「ディオが…?」

姉上が何とも言えない、戸惑った声をあげた。

「何だ?不満か?」

「いえ、そんな事…」

姉上が首と手を振り否定すると、ジュークが笑いをこぼした。

「ディオチェスター様がお相手ですと、女の子も緊張されるでしょうね」

…確かに。

その様子を想像して、思わず笑いを吹き出してしまった。

そんな俺に、ディオは片方の眉を上げる。

「そんなに楽しいか?」

「いや…そぐわないなって…」

小さな女の子と手を繋いで踊るディオ。

笑う以外、どうしろって言うんだ?

するとディオはため息をつき、俺を見て目を細めると

「まぁ…そういう意味でも、お前が来た甲斐はあったな」

どういう意味だよ!?

俺は盛り上げ役か?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ