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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

相変わらずの嫌味に顔をしかめると

「俺には出来ないやり方で交流してくれたのだからな」

…へ?

ポカンとディオの顔を見れば、ニヤリと笑みを浮かべていて…

何だよ!?

「褒めるならちゃんと褒めろよ」

紛らわしい言い方しやがって!!

自然と頬が緩んでくる。

すると

「お前は調子に乗りやすいからな」

ディオの言葉がぐさりと刺さる。

「王子としての威厳は保て」

「お…おぉ。分かってるよ」

小刻みに頷いて、椅子にもたれ掛かった。

全く…

持ち上げておいて、思いっきり引き下げやがって。

お前の言う『王子の威厳』って何なんだよ!?

ムスッとして腕組んで座ってる事か!?

その通りの体勢をとってみると…

あれ…?

「姉上?」

隣に座る姉上が、肩を落としてぼんやりしているのが目に入った。

「気分でも悪い?」

俺の問いかけにハッとしたように目を開き、小さく首を振ると力なく笑った。

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