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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

心配で眉を寄せた俺に、ディオは小さく息を吐いた後に聞いた。

「それで?」

それで!?

仮にもアンタの妻の体調が悪いんだぞ!?

それなのに、『それがどうした』と言わんばかりの口調で聞くのか!?

「心配じゃないのか!?」

「お前ほどじゃない」

「はぁ!?」

ムッとして睨み付けると

「あまり酷いようなら医者に診せる。それが最善だろう?」

ディオはそう言って、薄笑いを浮かべて俺を見た後、ワインを口に運んでいた。

それはそうかもしれないけど!!

だからって、そんなに落ち着いてるんじゃねぇよ!!

「ジュークなら、その辺りの事は上手くやる」

「へぇ…そうかよ」

ジュークがそつなく的確な指示を出せるのは予想できる。

ディオが付いているより、ずっと、だ。

だから、間違いじゃないんだ。

だけど…心情的に、納得できない。

納得してたまるか!!

「だけど…!」

言いかけた俺の声は、周りの歓声にかき消された。

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