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プリンス×プリンセス

第27章 4回目

まるで楽しんでいるかのような口ぶりだ。

そんなディオの態度に、ジュークが眉をひそめる。

「バネット様…お会いになられたのですか?」

「偶然な」

「そうですか…」

ジュークは口の中で言葉を練るように吟味すると、ぽつりと呟いた。

「それでは、ティアナ様が出席されないと、場が荒れるかもしれませんね」

へっ!?

あまりにも静かな口調に流しそうになったけど、言葉の重要性に気付いて目を見開いた。

「おい!!物騒な事を言うなよ」

苦い表情でジュークを見れば

「そうですか?」

ジュークは俺を見て、薄笑いを浮かべた。

「ディオチェスター様のパートナーになりたい女性は、バネット様だけではありませんから」

それは…あの女以外にもいるって事か?

ディオを取り合って言い争いでも始めたら、そりゃあ荒れるかもしれないな。

ちょっとだけ見てみたい気もする…なんてな。

「だけど…」

そんな場に、調子の思わしくない姉上を連れ出したくはないな。

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