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プリンス×プリンセス

第27章 4回目

そう思って口を開きかけると

「そういう事でしたら」

俺を見て、ジュークが笑った。

…いや、笑っているように曲線を描いているのは口元だけ。

目は一切笑ってない。

そんな表情で告げられた言葉は…

「道は1つ、ですね」



その時を思い出してため息をつくと、ディオが呆れたような声を上げた。

「そんなに気乗りしないなら、俺は無理には誘わないぞ」

だからさ、『俺は』を強調しないでくれないかな!?

「行くに決まってんだろ!!」

どのみち、ここまで来て止めるわけにいかないだろ!?

「だったらいつまでもそんな顔をするな」

どんな顔しようが俺の勝手だろ。

ムッとしてディオを睨めば、目を細くして俺を見返した。

「目障りだ」

ああ、そうですか。

姉上の振りをしたって、所詮は俺だからな。

男を連れてパーティに出るなんて、馬鹿らし過ぎるよな。

だけどな。

心の中で忠告する。

これは姉上の為だから。

お前の為なんかじゃないんだからな!

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