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プリンス×プリンセス

第28章 晩餐会で…

ちょうどその頃…

俺は俺で、安堵のため息をついていた。

本当に、姉上がいなくて良かった…っ!!


ディオと共に晩餐会の会場に姿を現したら、同じように招待された各国の王族や政治家に声をかけられた。

その度に自己紹介をして、愛想笑いを振り撒いていると

「ディオチェスター様」

背後からかけられた声に、思わず身が固くなる。

来た!!

「探しましたのよ…あら?」

鼻にかけた甘い声が、一瞬で棘を帯びた。

ディオの隣にいる俺にようやく気付いたらしい。

あ、この場合、俺じゃなくて姉上の存在に、か?

「ディオチェスター様、奥方ですの?」

だからさ、本人が目の前にいるってのに、何でディオに聞くんだよ!!

イライラを笑顔で消すと、あえてバネットに話しかけた。

「初めまして。ティアナと申します」

会釈をして微笑んでみせると、バネットは固い表情で作り笑いを浮かべた。

…ん?

てっきり自己紹介をしてくれると思ったのに、バネットからはそんな雰囲気が感じられない。

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