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プリンス×プリンセス

第28章 晩餐会で…

「リシャール国のバネット王女だ」

ディオが仕方ないとばかりの口調でバネットを紹介すれば、そこでようやくバネットの口が開いた。

「初めまして。もうお体はよろしいんですの?」

初っぱなからそれかよ!?

意地悪く、目を細めて俺を見るバネットに、余裕ぶって答えた。

「あ…はい。もうすっかり」

「…そう」

眉根を寄せて苦々しげな表情を浮かべたものの、すぐにディオに向き直り

「では、また後ほど」

ディオにだけ会釈をして、さっさとリシャール国王の元へ戻っていった。

おいおい。

お前さ、さっき姉上と仲良くなりたいとか言ってなかったか?

結局、ディオに取り入るための方便で…実際はそんな気はさらさら無いんだな。

「分かりやすいヤツ」

バネットの後ろ姿を見てくくっと笑うと、ディオが口を歪めた。

「何でそんな不服そうなんだ?」

「やけにあっさりと引いたな」

「そりゃあ正式なパートナーが居れば引くだろ?」

ディオの懸念を一笑に臥した。

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