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プリンス×プリンセス

第28章 晩餐会で…

慌てる素振りもなく、マキシマム王子に俺を紹介した。

ディオの余裕を持って答える姿に、さっきの対応が腑に落ちた。

何だ。

あのやり取りは、マキシマム王子に聞かせるために言ったのかよ!?

飲み物を取りに行きがてら、ディオの側から離れると、壁際の椅子に腰掛けた。

周りを見渡して、ふうっと息を吐いて頬を緩ませる。

俺のパートナー…か。

一瞬、俺に言われたのかと思った。

姉上じゃなくて、俺に…なんて。

そんな事、あるわけないのに。

俺はあくまでも姉上の代理。

ディオのパートナーは、姉上ただ一人だ。

自分の考えに苦笑いを浮かべると

「失礼、よろしいですか?」

耳慣れない声の呼び掛けに顔を上げる。

するとそこにいたのは、焦げ茶色の髪を撫で付けた、30才くらいの男だった。

誰だ?

面識のない人物の登場に、頭の中の関係者ファイルを探るけど、一向に思い浮かばない。

「あの…?」

「貴女のように美しい方が壁の花とは」

は?美しい人だって!?

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